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「思い込み」は「嘘つき」「詐欺師」と一緒。





本エントリーは、キャリ魂塾メルマガで配信した「『思い込み』は『嘘つき』『詐欺師』と一緒。」について、ご紹介しています。

「クライエントの思い込み」は、受容と共感の拒絶

さて、試験も近づいており、毎日論述模試の採点をしています。

今回、キャリ魂塾の論述模擬試験では、上司との関係が良くないクライエントの事例を出題しました。

この事例の解答に際して、「クライエントの思い込み」という記述が多いことに、暗澹たる気持ちでいます。

クライエントの「上司に(自分だけ)きつく当たられている」との言葉を、多くの受験生が「思い込み」と受け止める。

それの何が受容なのか、それのどこが共感なのか。

この基本中の基本すら指導できずに修了証を渡すなら、150時間、そして数十万という高額な養成講習に何の意味があるんでしょうか。

クライエントの内的世界を「思い込み」と言う。

それは、クライエントを理解することを拒絶しているんです。

「天空の城ラピュタ」で考える、受容と共感

「天空の城ラピュタ」はご存じですか?知っている人は考えてみてください。

「親方!空から女の子が!」

とパズーが言ってきた。

これに対して、「空から女の子は降ってこない。幻視だ。」

このように考えたときに出る言葉。それが「思い込み」です。

つまり、「パズーは、空から女の子が降ってきたと『思い込んでいる』」

こんな対応をされるなら、二度と相談したいなんて思いませんよね。

私がパズーに「親方!空から女の子が!」と言われたら?

「空から女の子!?マジか!どんな女の子?ケガとかしてない?意識は?とにかく連れてこい!」

と、パズーの言葉を信じ、その世界を共有しようとする。

それが「受容」であり「共感」だと思いませんか?

では、先ほどの論述模擬試験のクライエントが喜んでくれるのは?

「上司に自分だけきつく当たられてしんどい…それはしんどいですよね…どんなふうにキツいんですか?あなたにだけって、周りはどんな感じなの?」

そして、こう応答するから、クライエントは「心の内を話してくれる」ようになるんです。

クライエントの言葉を、「思い込み」と思っている人には、この応答はできません。

なぜ、パズーは40秒で全てを捨てる「支度」ができたのか。

せっかくですので、話をパズーに戻します。

パズーのお父さんは、嵐の中、竜の巣に隠されたラピュタを写真に撮りました。

しかし、その写真を持って地上に戻った彼を待っていたのは…

「嘘つき」「詐欺師」という言葉。

そして、彼は失意の中で亡くなったんです。

パズーは、父を「嘘つき」「詐欺師」と呼ばれてきたからこそ、シータにこう言います。

「父さんは詐欺師扱いされて死んじゃった(´·ω·`)
・・けど、ぼくの父さんはうそつきじゃないよ!」

そして、ポムじいさんの

「岩達が騒ぐのは、山の上にラピュタが来とるからだとな・・・」

この言葉を聴いて、パズーはこう言います。

「父さんはうそつきじゃなかったんだ!(`・ω・´)」

ここが私的には一番泣けるポイントです。

そう、パズーはずっと、父の言葉を信じて生きてきたんです。

なぜ、彼がためらうことなく、わずか40秒で全てを捨てる「支度」ができるのか。

考えたことがありますか?

シータが可愛いから?好きだから?違います。

その直前の「シータを助けたいんだ」は、一つの要素ではありますが、それはドーラに、「お前あいつらがあの娘を生かしておくと思うのかい?」と言われたからです。

それ以前に、パズーは、ずっとずっとずっと

「父の見たラピュタ(が真実であること)を探し求めて生きてきた」

からです。

「父の言葉が真実であると確かめたい」が、彼の主訴。

だからこそ、40秒で全てを捨て、ドーラ一家に身を委ねたんです。

念のため、wikiを調べたところ、こうありました。

ラピュタの発見に関して詐欺師の汚名を着せられたまま死んだ父のため、自作のオーニソプター(はばたき飛行機)でラピュタの実在を証明することを夢見る。

(引用:Wikipedia

私の考察が正しかったことが、wikiでも分かります。

「思い込み」とは「あなたの言葉は信じません」という対応

クライエントの言葉を、「思い込み」と断じることは、パズーの父を「嘘つき」「詐欺師」と呼んだ人々と何ら変わりません。

「信じていない」のですから。

もちろん、本当の「思い込み」もあります。

「食わず嫌い」とかね。

「ブロッコリーって、食べたことないけど、めっちゃマズそう」

これは、「思い込み」と捉えても基本的には大丈夫です(なぜそう思うのか、事情確認は必要ですが)。

いかがだったでしょうか。

多くのキャリコン受験生の使う「思い込み」(ときには「認知のゆがみ」)という言葉。

この言葉は、受容・共感とは真逆の「在り方」であることに気づいて頂けましたら幸いです。