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キャリコン学科試験予想問題:スーパービジョン
本エントリーは、2022年3月6日の午前7時に、最後のヤマ当て論点としてアップしたものですが、見事的中!となりました!!
本エントリーを読み終えると、キャリコン学科試験で出題が予想される、下記のような「スーパービジョン」の問題が解けます。
「スーパービジョン」や「事例検討」について述べた下記の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
1.スーパービジョンとは、「スーパービジョン関係に基づいて、スーパーバイジーが自らの専門職としての課題を適切に自己評価し、その課題に主体的に取り組み、解決できるように援助するための継続的な援助関係であり、その過程を通して専門職としての発達・自律を促進する活動である。
2.スーパービジョンでは、スーパーバイジーが行った事例を取り扱うが、事例を検討する目的はあくまでもスーパーバイジーの成長課題を明確化して自覚させ教育指導することである。
3.事例検討は、その事例の見立てや援助方法の有効性の検討と関わり方の支援を目的としているため、クライエントそのものとクライエントに対するキャリアコンサルタントの行為に焦点が当たっている。
4.スーパービジョンは、キャリアコンサルタントの悩みの解決に向けて自己理解や意思決定させることを目的とするカウンセリングではなく、あくまでも教育的介入である。
1.1つ
2.2つ
3.3つ
4.4つ
「スーパービジョン」のポイント
キャリアコンサルタント学科試験において出題可能性のある、「スーパービジョン」「事例検討」のポイントをチェックしておきましょう。
スーパービジョン(スーパーバイザー)制度は、現在、1級キャリアコンサルティング技能士の上に、その設置が検討されている制度です。
引用:令和2年度 厚生労働省委託キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業 報告書
事例『指導』
このスーパービジョンに対して、現在の1級キャリアコンサルティング技能士試験範囲として明示されているのは、「事例『指導』」であり、「スーパービジョン」とは異なるものとされている点に注意が必要です。
また、事例『指導』は、下記のように説明されています。
①事例について面接の流れを理解し、見立てることができ、事例の評価と事例相談者に対する意思決定(助言・情報提供、目標設定の提示、専門家育成能力)
②個人及び集団に対して、教育方法を活用し、個人又は集団に応じた事例指導(適切な介入、課題等に関する論理的・具体的・網羅的で簡潔な説明)
③個々の事例(専門領域を含む)に応じた環境(地域、組織、家族、対人関係やシステム等)の問題点(現状とあるべきものとの乖離等)についての指摘、関係機関や関係者との協力関係を築きながら行う環境への働きかけ、及び解決策や改善案等の介入・指導、が安定的かつ適切にできること。
※ 特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会が1級キャリアコンサルティング技能検定試験の「試験科目及びその範囲並びにその細目」で提示している実技試験に係る記述内容。
引用:令和2年度 厚生労働省委託キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業 報告書
事例検討その他の教育的制度等
その他「事例検討」等の教育的制度、またカウンセリング、コンサルテーション、キャリアコンサルティングの特徴・定義を引用・掲載しておきます。
ご参考になりましたら幸いです。
引用:令和2年度 厚生労働省委託キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業 報告書
スーパービジョン制度開始を見据えて、キャリアコンサルタントへの意識化を図る?
スーパービジョン、スーパーバイザー制度を開始しても、スーパービジョンを受けるキャリアコンサルタントがいなければ、国や協議会、JCDAとしては当然「失敗」となってしまいます。
その失敗を避けるためには、やはり「国家資格試験受験生の内から、スーパービジョンを『受けなければいけないものである』」という考え方(ちなみにこの考え方自体は、正しいものであり否定するつもりはありません)を浸透させる必要があると考えているのではないでしょうか。
そのため、今後のキャリアコンサルタント試験の重要論点になっていくと思われます。
なお、問題は「全て正解の記述」であり、4となります。
出題に使用した個所を引用しておきますので、ご確認頂けましたら幸いです。
スーパービジョンとは、「スーパービジョン関係に基づいて、スーパーバイジーが自らの専門職としての課題を適切に自己評価し、その課題に主体的に取り組み、解決できるように援助するための継続的な援助関係であり、その過程を通して専門職としての発達・自律を促進する活動(4.関連活動等の特徴・異同 を参照)」である。
スーパービジョンでは、スーパーバイジーが行った事例を取り扱うが、事例を検討する目的はあくまでもスーパーバイジーの成長課題を明確化して自覚させ教育指導することであって、事例検討とは異なるものであることに留意する必要がある。
事例検討は、その事例の見立てや援助方法の有効性の検討と関わり方の支援を目的としているため、クライエントそのものとクライエントに対するキャリアコンサルタントの行為に焦点が当たっている。これに対してスーパービジョンは、あくまでもスーパーバイジーとしての発達と自律に焦点を当てるのであって、事例検討に終始する指導はスーパービジョンとは言えない。
スーパービジョンの目的は、キャリアコンサルタントを自律したプロフェッショナルとして育成し、成長させること、およびスーパーバイジー(=キャリアコンサルタント)が担当するクライエントを保護し、その健全な成長を促進することである。したがってスーパービジョンは、キャリアコンサルタントの悩みの解決に向けて自己理解や意思決定させることを目的とするカウンセリングではなく、あくまでも教育的介入である。
引用:令和2年度 厚生労働省委託キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業 報告書