このエントリーでは、キャリアコンサルタント学科・論述・面接試験対策及びキャリアコンサルタント実務で必要となる「不妊に悩む方への特定治療支援事業」の改正について、ご案内しています。

令和3年4月1日より、「不妊に悩む方への特定治療支援事業」が拡充!

キャリアコンサルタント試験は、原則として「その試験実施日の属する年度の4月1日時点で実施される法令」に基づいて出題されるのが原則ですが、必要とされる知識については、ある程度タイムリー(大体4カ月程度前までは要注意)に出題されます。

この令和3年4月1日には、「不妊に悩む方への特定治療支援事業」が拡充されました。※
※対象となる治療が令和3年1月1日以降に終了しているもの。

キャリアコンサルティング協議会で受験される方にとっては、第16回キャリコン論述試験でも不妊治療との両立支援に悩む相談者が出題されたことからも、学科・実技共に非常に重要な論点と考えられます。

「不妊に悩む方への特定治療支援事業」とは

「不妊に悩む方への特定治療支援事業」について、見ていきます。

不妊治療への費用助成

不妊治療の平均費用は、体外受精で約38万円、顕微授精で約43万円(出典:エレビット)とされており、その負担が大きいことから、公的支援が求められていました。

そのため、令和2年度第三次補正予算による拡充が行われています。

対象治療法

体外受精及び顕微授精(以下「特定不妊治療」という。)

対象者

特定不妊治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか、又は極めて少ないと医師に診断された夫婦
(治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦)

給付の内容

①1回30万円
※凍結胚移植(採卵を伴わないもの)及び採卵したが卵が得られない等のため中止したものついては、1回10万円
通算回数は、初めて助成を受けた際の治療期間初日における妻の年齢が、40歳未満であるときは通算6回まで、
40歳以上43歳未満であるときは通算3回まで助成(1子ごと)

②男性不妊治療を行った場合は30万円 ※精子を精巣又は精巣上体から採取するための手術

拡充の適用

令和3年1月1日以降に終了した治療を対象

厚生労働省の案内リーフレット

相談件数

事業の拡充の背景の一つとして、不妊治療の相談件数の推移もみておきましょう。

(出典:厚生労働省)

協議会受験生は、「治療との両立支援」に要注意!

キャリアコンサルティング協議会では、治療との両立支援や非正規雇用労働者支援など、国の施策に沿った出題が数多くみられます。

治療との両立支援も、不妊治療だけでなく、かつては「腰痛」との両立支援が面接試験で出題されたこともありますし、今後は「がんサバイバー」など、がんとの両立支援も重要な論点になるものと思われます。

これまでは、両立と言えば「育児・介護」が多く出題されてきましたが、今後はこういった「各種治療」との両立支援についても要注意です。