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産業カウンセラー・キャリコンの学習範囲はほぼ「健常者」「成人」のみ
例えば、産業カウンセラーやキャリアコンサルタントと言った、準公的資格(産業カウンセラーはかつて労働省国家資格)や国家資格であっても、学習範囲の90%以上が「健常者」であり、「成人」を対象にしています。残りの10%足らずの学習範囲の中に、精神疾患や障がいを抱えた方、ガンサバイバー、未成年者、外国人等が含まれているわけですね。
そして、その精神疾患や障がい、ガンサバイバーなどについて学ぶ知識のほぼ全てが、「クライエント本人」が発達障がいであったり、精神疾患であったり…そういったケースです。
もちろん、そういった「当事者がクライエント」であるケースも多いです。
しかし、それと同じくらい多いのが「子どもが発達障がいや精神疾患」である「保護者からの相談」です。
このケースも非常に多いにも関わらず、産業カウンセラーやキャリアコンサルタントでは、学習範囲に含まれていないと言っても過言ではありません。
発達障がいの可能性のある児童は何割?
文部科学省によれば、現在、発達障がいの可能性のある児童は8.8%ですから、その親が相談に来る可能性が高いのは至極当然です。
出典:文部科学省
しかし、残念なことに私の知る限り、一般的な民間カウンセラー資格はもちろん、産業カウンセラーやキャリアコンサルタントといった、準公的資格、国家資格でも「発達障がいの子を持つ親」の支援については、学ばないのです。
そして、今からとてもとても大切な、実務的に重要な問いかけをします。ガチで心して考えて頂きたい問いかけです。
ADHDの遺伝率は?
発達障がいのうち、ここではADHDを取り上げます。あなたは、ADHDの遺伝率を知っていますか?
知らなければ今お伝えしますね。
親がADHDの場合、50〜80%(平均70%)の確率で遺伝する。
これは、Googleで検索してトップに来るmedicalnoteというサイトの情報です。
出典:MedicalNote
発達障がいの子をもつ親がクライエントだったら…
ADHDの遺伝確率、これも大切で重要な問いかけなのですが、私が考えて頂きたいのはここからです。
ADHDは平均70%の確率で遺伝する。仮にADHDの遺伝確率をあなたが知らなかったとしても、今知ることができました。
では問いかけます。
「あなたの目の前に座った「ADHD児の親」であるクライエントは、成人ADHDでないと言い切れるのか?」
診断をされていないだけかもしれません。
つまり、「ADHD児の親は(診断されていない)成人ADHDである可能性」も考慮した、よりきめ細やかなアプローチを提供する必要がある。
これを頭に入れているかいないかで、面談の成否が大きく変わるかもしれません。