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問題の解決をしてはいけない」は正しい指導なのか?
キャリアコンサルタント養成講習で、「問題を解決しなくてよい」とか「しようとしてはいけない」と講師に言われたのですが…
それは、正しいときもあるし、また誤っていることもありますね。
…どういうことなんでしょうか…
では、今回は「問題を解決しなくてよい」について、解説していきますね。
はい。お願いします。
「問題を解決しなくてよい」のではなく、「問題の解決を求めない相談者もいる」。
「問題の解決をしなくてよい」ケースは確かにあります。
例えばそういったケースの一つとして、「クライエントが問題の解決を求めていない」ケースもあります。
こういったケースでは、あなたがどのような有意義・有益(と思われる)提案をしても、クライエントに「デモデモダッテ」と拒否されるため、支援する側のイライラが自然と高まり、またその高まりがクライエントに伝わり…と、決して良い結果にはなりません。
そのため、無理に何かを提案しようとするのではなく、受容・共感・寄り添いと言った、「傾聴姿勢」が大切になります。
キャリアの理論家から、「解決をしなくていいケース」を検討する。
キャリア理論で学ぶ理論家のうち、
・ジェラット
・ヒルトン
・ティードマン
この辺りを思い出してみてください。
彼らは
1.「人の行動には何らかの「利益」がある。
2.その利益は「金銭的利益」とは限らない。
このように述べました。
では、「解決を求めない相談者」の利益とは?
解決を求めない相談者の「利益」とは?
解決を求めない相談者の「利益」を考えてみましょう。
例えば…
・問題を解決しないことで、自分が「動かない」ことが正当化できる。
なんてのもあります。
問題が解決してしまうと、自分が何らかの行動をしなければいけない。
これを避けたいんですね。
具体的な例で言えば、(働きたくないから)うつ病だけど病院には行きたくない。
こういった感じです。
その他、「自虐風自慢」もありますし、「問題があるから構って貰える」と考えているケースもあります。
ポイントは、解決への支援を求めているかどうかを見極めること
大事なことは、しっかりと話を聴いて相談者が「解決を求めている」のか「ただ話を聴いて欲しいだけ」なのかこれを見極めること。
特に、経験や資格のある方ほど(自分が何とか)「問題を解決しよう」・「助けよう」としてしまいます。
これでは「ただ話を聴いて欲しい」相談者のニーズは満たされませんし、また仮に「解決を求めている」相談者であっても、自律や般化が生じません。
まず大切なことは、しっかりと話を聴くこと。
その中で、「どうして目の前の相談者は、『今日初めて出会った私が思いつくこと』を、していないんだろう」と考えてみることも一つの方法です。
あなたが思いつくことは、相談者も考えていることが多いものです。
その上で、「していない」のなら、何らかの理由があるはず。
それを考えるというのも、傾聴の一つの方法ですね。