理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。

今日は4月1日ということで、「逆張り」についてのお話です。

専門特化は憧れの業務スタイル

私が行政書士として独立した2001年頃は、士業の世界にも徐々にインターネットの波が打ち寄せ始めた頃でした。

大阪でもほとんどの行政書士事務所がいわゆる「事務所ホームページ」を持っておらず、私が地元支部では最も早くにホームページに取り組んだ一人だったと思います。

とはいえ、当時はホームページを作るのにも何の知識もなく、ホームページビルダーとマニュアルを片手に悪戦苦闘していたことを思い出します。

そして、当時から言われていたのが「専門特化」という言葉。

簡単に言えば、「何でもできる」は「何もできない」と同じである、ということで、例えば「建設業」「産廃業」「運送業」「相続」のように、専門分野を絞って、その分野に集中して取り組む、というものでした。

しかし、哀しいかな、新人行政書士には「仕事が来ない」のです。

専門特化するというのは、専門書を覚える、ということではありません。

例えば、大阪と兵庫の取り扱いの違い、都道府県と国の取り扱いの違い、専門書に書かれていない窓口の取り扱い等、実際に業務をして初めて分かるような知識がそれこそ掃いて捨てるほどあるわけです。

先輩行政書士の方は、役所の手引きや専門書を読みこなすだけではなく、それぞれの役所ごとの取り扱いなども熟知しておられ、それを研修などの会合で快く教えて下さるのですが、未経験で人脈もなく、仕事の来ない新人行政書士にとっては使う場がなく、そういった「専門特化」は憧れであり、手の届かない業務スタイルでした。

そこで、私は次にFPの資格を取ることにしました。

なんだかんだ、税金や保険のことなど、知らないことばかりだったので、こういった「お金」の知識を得ることは非常に勉強になりました。

このFP合格の次に、施行間もないNPO法や介護保険法を学びつつ社労士を取り、ある程度競争の少ない分野と企業経営に必要な知識が身に付いてきたことが、私にとってのスタートラインだったと言えます。

専門特化しないことで、「とりあえず」思い出してもらえる存在になれる

当時の士業ビジネスというのは、「思い出してもらえる」かどうかがカギでした。

例えば、ある社長さんが、「もうひとつ会社を作りたいけど、誰に相談しようかな」と思ったとき、頭に描く人がいます。

この社長さんが頭に描いた人が、税理士であったり、社労士であったら、「会社を作るなら、行政書士の〇〇さんがいいかな」とおススメしてくれると、仕事に繋がるわけですね。

2001年当時、そういった紹介営業以外は、電話帳で調べるしかない時代でした。

専門特化するということは、こんな風に「誰に相談したらいいかな」と考えたとき、真っ先に思い浮かぶ人又はその真っ先に思い浮かんだ人が推薦してくれる人になる、ということです。

そういった存在になるには、信用と実績が必要であり、相当の時間がかかります。

なので、新人には仕事が来ないのです。

だから私は、NPO法、介護保険法という、実績自体がまだない分野を選んで、そこで実績を作っていきました。

そして、ひとり親家庭自立支援センターの前身となるNPO法人を立ち上げ、行政書士・社労士として、そのセンターの相談員としても働き、そのなかでカウンセリングスキルの必要性なども実感したため、産業カウンセラーを取るなどしながら、今に至ります。

このように私自身は、特定の分野に特化したわけではありません。

NPO法関係しかしないというわけでもないし、介護保険法関係しかしないわけでもなく、建設業や人材派遣業、外国人関係業務も行っていますし、心理カウンセリングやキャリアカウンセリング、催眠療法までニーズに応えて行ってきました。

そうなってくると逆に、「この問題、誰に頼んでいいか分からないけど、『とりあえず』キャリ魂太郎さんに相談しよう」という『とりあえず』ポジションになり、そこで難しくてもやり遂げることで、多分野の専門性を高めていくことが可能になったわけです。

もし建設業に専門特化していたら、介護保険業務では思い出してもらえませんし、相続業務でも思い出してもらえませんよね。

私が「専門分野を見つけて特化しろ」という教えに従っていたら、3年は持たなかったでしょう。

「逆張り」も悪くはない

別に、いつでも周りと違う行動をしよう、ということではありません。

しかし、周りがいつも正しいわけではないし、周りと一緒のことをやっていたらいつまでたっても抜け出せません。

だから、この4月から働く方は特に、上司の言うこともほどほどに、逆張りもいいのではないかなと思います。