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このエントリーでは、国家資格キャリアコンサルタント面接ロールプレイ試験(以下「面接試験」なお、キャリアコンサルティング協議会実施分のみを指します)における、口頭試問の応答のポイントを解説をしています。

口頭試問は15分が「終わってから」考えるのではない

面接試験は、15分間の「ロールプレイ」パートと、「口頭試問」パートに分かれます。

このうち「口頭試問」では、自らの15分間の「ロールプレイ」を振り返って、試験官からの質問に答えるわけですが、受験生の多くがその「取り組み方」を間違えています。

それがロールプレイが「終わってから」口頭試問で問われる内容について、考え始めてしまう点です。

終わってから考える➡時間が足りなくなる

15分間のロールプレイが終わると、ほぼシームレスに口頭試問に移行します。

そして、試験官から例えば「今回のロールプレイを振り返って、良かった点と改善すべきと考える点をそれぞれ述べて下さい」といった質問が行われます。

面接試験対策講座の受講生のほとんど全員が、この質問を「問われてから」考え始めます。

そうすると、時間が足りなくなってしまいます。

きちんと口頭試問に応答するためには、実は「振り返る」のではなく、この「15分間の中で」ロールプレイをチェックする必要があるのです。

ロープレ中に気づいたことをチェックする「関与しながらの観察」

15分間、しかも試験という場で、自らのロールプレイをチェックしながらクライエント役の表情や言葉にも神経を集中する…これは非常に難しいことです。

また、「クライエントに全神経を集中する」ことが正しいと教わってきた受験生も少なくないでしょう。

それを否定するものではありません。

しかし、H.S.サリヴァンが述べた、支援者にとって必要な姿勢は「関与しながらの観察」です。

「関与しながらの観察」とは?

「関与しながらの観察」とは、本来、観察者は対象に影響を与えない測定機器であることが求められます。

しかし、その対象が人間である場合、観察者はその場に存在するだけで、対象者である人間に影響を及ぼしています。

このことを、しっかりと認識した上で観察する必要があるんですね。

繰り返しになりますが、心理支援≒面接場面において、キャリアコンサルタントとクライエントが存在する時点で、当然キャリアコンサルタント自身もクライエントから影響を受け、その影響がクライエントにも影響を及ぼす…そんな相互作用が生じます。

であれば、キャリアコンサルタント自身のクライエントへの影響を無視した観察は、あり得ないとする考え方です。

つまり、クライエントに影響を及ぼしている「自ら」をも観察する必要があるのです。

例えば、キャリアコンサルタント(支援者)の、いわゆるジェンダー的に偏った価値観が、自然と出てしまった場合。

「うーん、就学前の子どもさんにとって、お母さんと一緒に過ごす時間って、何よりも貴重だと思うのですが…どうしても働かなくてはいけない理由はないとのことですし…」

この言葉が原因となって、『クライエントが表情を変えたのか変えなかったのか』は、実は面談の成否に関係がないと言ってもよいことです。

私の前にいる支援者は、「ジェンダー的に偏った考え方の支援者」だ。

このようにクライエントが認知した。

その認知自体が、その後のクライエントの変容に影響していくのであり、「その瞬間」だけ切り取っても意味が無いからです。

あるクライエントは、「確かにそうですよね」と同意するかもしれないし、あるクライエントは「そうでしょうか?」と抵抗をするかもしれません。

しかし、支援者であるキャリアコンサルタントが「ジェンダー的に偏っている」とクライエントに認知された、そのこと自体が、その後の面談や支援を受ける態度に影響するのです。

例えば、キャリアコンサルタントに気に入られようとしてしまうケースもあれば、「確かにそうですよね」と言いつつ、次回の面談に現れないことで「拒絶」を表すかもしれない。

「自ら」を客観的に観察することができているかどうか。、

これが、「良かった点」「改善すべき点」の答え方であれば、面談の15分を「振り返る」のではなく、面談中の自らを常に観察する姿勢で臨むことが重要なポイントになります。

私の知る限り、H.S.サリヴァンについて記載しているキャリアコンサルタント養成講習テキストはありませんが、臨床心理学的には非常に重要な研究者ですので、また合格後に検索してみて下さいね。