このエントリーでは、第18回国家資格キャリアコンサルタント論述試験(キャリアコンサルティング協議会を指定試験機関として実施されたものに限る。以下全て同じ)の解答例を掲載しています。

あくまで一つの解答例であり、この解答でなければダメ、というものではありません。

学習にお役立て頂けましたら幸いです。

論述試験問2 解答例

①直前の「今更そんなことを言われても…」では、感情が省略されている(「…」)。この感情を明らかにするため「開かれた質問」により「深堀り」
②その後、明らかになった感情を受容・共感し、ラポールを構築
以上2点を意図した。
(109文字)

「明確化」は「カウンセラー」が行う技法

今回のポイントは、文末の「・・・」ではないでしょうか。

この、いわゆる「三点リーダー」と呼ばれる表現は、逐語では非常に重要です。

例えば、「もう自分では何をどうしたらいいのか・・・」という応答がありますよね。

この「・・・」に含まれる感情は、例えば「分からない」「不安」という感情だったりします。

これを「カウンセラー」が「先取り」して、「どうしたらいいのか、『分からなくて、不安』なんですね」

と応答すれば、これは「明確化」となります。

しかし、今回はカウンセラーは先取りしていませんので、「明確化」ではないということになります。

そうすると、直前の応答で「うちの会社は~」と様々なことを述べているのですから、ここはシンプルに「深堀り」でよいのではないでしょうか。

また、この質問の仕方は「開かれた質問」ですので、よりZさんの感情を明らかにすることができると考えられます。

なぜ「感情を明らかにする」のかを考える

更に、なぜ「感情を明らかにするのか」を考えてみましょう。

感情が明らかになれば、その感情に寄り添う(受容・共感)ことで、ラポールを構築することが可能です。

このように、「クライエントの反応を見越したうえで、質問を投げかける」ことも、広義には「カウンセリングの構造化」になります。