このエントリーでは、平成29年度後期(第7回)12月に実施された、1級キャリアコンサルティング技能検定試験論述試験の解答例をご紹介しています。

※あくまで解答例であり、これが「正解」とするものではありません。
※キャリ魂塾では、JCDAが実施する実技(論述・面接)試験は考慮しておりません。

第7回1級キャリコン論述試験問題事例【必須問題】問題1解答例

4S理論に基づいて、相談者Aの現状を検討してみると、Aはグループ会社のエグゼクティブ求人紹介会社に転属以降、以前のような成績が挙げられなくなった(転機)。
①成績が挙げられないのは、経営の知識不足という仕事理解不足(先輩達は「経験」が豊富で顧客と渡り合っていると述べているのに、自らは「知識」を求めている矛盾に気づいていない)
②先輩達がどのように経験を積んできたのかを知ろうとせず、「海外でのMBA取得が一番」と視野狭窄状態に陥っており、職場の支援が得られていない(支援理解不足)。
③配偶者に相談していないにもかかわらず、「問題ない」との思い込み(状況理解不足)。
④以上から、キャリアビジョンが描けていない(戦略不足)。
(307文字※句読点を含む)

1級論述試験問題1:解答のポイント

第7回1級論述試験の設問1は、「見立て」を立てることです。

こちらは、国家資格キャリアコンサルタント論述試験、2級キャリアコンサルタント論述試験と比較すると、行数が1行増え、6行です(第7回時点)。※

1行を50文字と仮定すると、約300文字となり、国家資格試験や2級論述試験と同じ感覚で解答してしまうと「行が余る」ことになります。

そのため、1級技能検定論述試験問1の「見立て」では、国家資格試験や2級技能検定試験の「見立て」よりも「1つ1つの応答を丁寧に検討する」ことが必要と考えられます。

※最終行は「枠」を行としてカウントしています。

「見立て」の根拠とは?

国家資格試験でも、技能検定試験でも「根拠」が求められます。

単に「相談者は、自己理解ができていません」と書いて合格するのであれば、問題を読む必要はないですよね。

根拠とは、「相談者の言動」の他、「自らがどの理論に基づいて見立てたか」も含まれると考えられます。

自らの「経験とカン」で見立てるのではなく、国家資格試験、技能検定試験では、「他人(試験官)に説明できる根拠」として、理論が必要となる点が重要ですね。

3年後、改めて解答を振り返ると?

この解答は、3年前に問題用紙に書き写したものを若干加筆修正したものですが、今見返すと、やはり粗が目立ちます。

今改めて解くなら、根本的に「海外のMBAを取ってまで、今の仕事をしたいのか?」という自己理解がない点(さらに言えば、この点こそが「キャリアビジョンがない」点)が一番重要だと感じますが、問題に記載された「言動」にはそういった点が記述されていないため、書き方に注意が必要かもしれません。