シャインの「組織内キャリアの段階的発達」を使いこなそう

シャインの各理論は、試験的にも実務的にも非常に大切ですが、試験的にも実務的にも「キャリア・アンカー」だけ、では非常にもったいない。

ぜひ「組織内キャリアの段階的発達」を押さえ、使いこなしましょう。

第22回2級キャリアコンサルティング技能検定面接試験出題事例(改題)の「仮説」を立てる

相談者:鈴木一郎 45 歳 家族:妻(48 歳)、長男(21 歳)、次男(18 歳)と同居。
四年制大学(工学部)卒業後、大手の精密機器メーカーに入社し、22年になる。
相談したいこと:
ここ数年、仕事が面白いと思えなくなってきた。
先が見えているようにも感じるため、退職しようかとも思う。
会社の早期退職支援制度を使えば、特別退職金も支給されるようなので、思い切って妻に話をしたところ反対されてしまった。
今後の仕事のことや生活について相談したい。

これは、第22回の2級面接試験で出題された事例を改題したものです。

すでに、下記エントリーその他でお伝えしていますが、キャリ魂塾では「クライエントに全神経を集中する」や「とにかく話を聴く」とは指導しません。


国家資格キャリコン面接試験では、試験当日。

2級面接試験では、事前に事例が送付されます。

事例が伝えられた段階で(手元に届いた段階で)、「理論を使って仮説を立てる」のが、キャリ魂塾です。

面接試験の場では「仮説の検証」を行うことになります。

シャインの「組織内キャリアの段階的発達」から仮説を立てる

仮説を立てるには、「理論」が必要です。

今回は、シャインの「組織内キャリアの段階的発達」を使います。

相談者の鈴木一郎さん、分かりやすいですね。

なにが?

大学卒業後、ずっと1つの会社で、23年お勤め。

その上で45歳なんです。

であれば、当然、そう当然ですよ?

キャリア中期の危機

を検討するのが、「プロ」のすべきことです。

私(試験問題作成者)からすれば、この「キャリア中期の危機」を仮説にして欲しいから、わざわざ「45歳」にしているんですね。

「キャリア中期の危機」に基づく「仮説=見立て」

「キャリア中期の危機」に、すべきことはなんでしたか?

少し話が逸れますが、もし、あなたが学科試験受験生であり、これが分からないのなら、「模試を受けている場合ではない」んです。

だからキャリ魂塾では、「学科試験対策模試」はしません。

時間のムダだからです。

出題可能性の高い重要ポイントを放置して、模試をするのは、私の見立てでは「苦手論点から逃げているだけ」です。

エリクソン、ハヴィガースト、ギンズバーグ、スーパー、レヴィンソンにユング、そしてシャイン。

最低限、これら研究者の発達理論を押さえて下さい。

「キャリア中期の危機」に入ったら、すべきことの一つは、

自分のキャリアの再評価を行い、現状維持か、キャリアを変えるかを決める。

です。

そう、鈴木さんは「自分のキャリアの再評価」を、きちんと行っていないにもかかわらず、「現状維持か、キャリアを変えるか」を、決めようとしているから「迷い」が生じているのではないか。

更に言えば

他者の助言者になりたいという、自分自身の欲求を満たす。

この「他者の助言者になりたいという欲求」が満たされていないから、「仕事が面白いと思えなくなってきた」のではないか。

この2つが「シャインの『組織内キャリアの段階的発達(キャリア中期の危機)』に基づいた『仮説=見立て』」です。

目標設定を「主訴に基づいて行う」

その上で、「45歳以降のキャリアを考える」ことを目標とする。

なぜ?

それが「鈴木さんの『主訴』だから」。

鈴木さんは、最初から「今後の仕事のことや生活について相談したい。」と言っていますね。

この「クライエントの『主訴』というニーズに応えることも、大切な『寄り添い』であり、同時に『目標設定』となります」。

この事例の場合、目標は、事例を読み終われば、1秒で設定できました。

目標に基づいて「方策設定」を行う。

この目標に必要なのは?

「方策」ですよね。

だから、「鈴木さんのキャリア・アンカーを知り、評価する」という「方策を検討する」。

これで「主訴」に基づいた「目標設定」と「見立て」に基づいた「方策」が仮説として立てられました。

あとは、試験の場で「検証」するだけです。

その他の検討項目例

奥さんがどうして反対したかについて?

これは「試験」です。

そして、あなたがまず理解するべき相手、それは「目の前のクライエント」ですよね。

限られた20分という時間の中で、そしてプロとして、あなたに求められていること。

それは、鈴木さんのご相談に対する、「シャインの組織内キャリアの段階的発達」理論に基づいた「仮説=見立て」の検証、つまり「傾聴」し、目の前のクライエントの心情に寄り添い、ラポールを構築しながらの「修正」です。

だから、私は年齢を45歳、一社で23年、ここ数年仕事が面白くないと、理論に当てはめやすいように事例を改題しているのです。

試験問題作成者の意図を汲む。

これも当然、「寄り添い」です。

あえて言えば、奥さんがどうして反対したかなんて、聞かなくても大体予想はつきますよね。

「先のこともきちんと決めていないのに、辞めるも辞めないもないでしょ!」って、そりゃ奥さんからすれば当たり前だと思いません?

キャリ魂塾は「理論」による仮説検証を行う「新世代キャリアコンサルタント」を育成します。

理論が分かれば、目の前にクライエントがいなくても、クライエントを思い描き、「仮説を立てる」ことができます。

なのになぜ、理論を使わない、使えないのか。

「オウム返しだけ」で良いのなら、理論を学ぶ必要はありませんし、養成講習すら必要ありません。

1.理論に基づいた「根拠のある」仮説と検証を、「傾聴」し、ラポールを構築しながらできること。

2.制度や法的知識に基づいた情報提供が出来ること。

この2つが、「新世代キャリアコンサルタント」の根幹であり、キャリ魂塾の面接試験対策講座や2級ロープレ勉強会で行っている「試験対策」です。

あなたが「キャリア理論をはじめとする各種理論を使いこなしたい」と思うならば、キャリ魂塾は、あなたの想いを全力でバックアップしていきます。

そうそう、論述も一緒です。

それは、論述と面接で問われていることは、ほとんど同じと考えられるからです。

なお、本事例の解説は決して「正解」ではなく、キャリ魂塾の「見解」である旨、ご承知おきください。

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