このエントリーでは、第20回国家資格キャリアコンサルタント試験結果について、講評しています。
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学科試験合格率
学科試験合格率は、協議会が78.2％（前回60.8％）、JCDAが77.4％（前回63.0％）となりました。
両団体とも、前回と比較すると、合格率は大幅に上昇しています。また両団体を平均すると、77.8%となっています。
第18回が大幅易化回であり、第19回は通常の試験レベルに戻ったと考えるのが適切と前回お伝えしましたが、再度易化となりました。
実務的にも、求められるレベルは非常に高くなってきているのですが、学科試験出題レベルが易化しているのは、現場担当者としては少々気がかりです。
受験生時代の勉強は実務の基礎になるものですので、ぜひ今後も勉強を続けて頂ければと思います。
学科平均点
学科試験平均点は、協議会が74.9点（前回70.8点）、JCDAが75.1点（前回71.7点）と、両団体とも平均点が合格点を上回っています。
合格率が80％弱ですから、中央値も70点を超えているのではないでしょうか。
実技試験合格率
実技試験合格率は、協議会が57.5％（前回59.7％）、JCDAが64.4％（前回63.3％）です。
傾向として、JCDAの方が合格率が高い傾向は変わりません。
特にJCDAは養成講習修了受験生だけで見れば、67.3％（前回66.0％）の合格率となります。
JCDAは相変わらず実務経験受験者の合格率が低い傾向
また、JCDAは実務経験合格者率が異常に低くなるのが特徴です。
今回もJCDAの実務経験受験者合格率は、40.1％（前回38.7％）。技能検定片方合格者は37.5％（前回33.3％）となり、上述したように養成講習修了受験生の合格率の67.3とは雲泥の差となります。
これに対して、協議会は実務経験受験者合格率が、52.4％（前回51.0％）。技能検定片方合格者は％（前回45.4％）となり、養成講習修了受験生の合格率は58.1％（前回60.3％）です。
実務経験受験を考えている方は、相変わらずJCDA受験はおススメできません。
論述試験平均点
論述試験平均点は、協議会が30.7点（前回30.9点）、JCDAが33.2点（前回32.7）点と、こちらも相変わらず「JCDA易・協議会難」の状況が続いていますね。
特段調整などがないのか、それとも調整してこうなっているのかは分かりませんが…
面接試験平均点
面接試験平均点は、協議会が60.8点（前回61.1点）、JCDAが61.0点（前回60.9点）となりました。
面接試験の平均点では、前回とは異なりJCDAが協議会を上回っていますが、得点差が前回同様0.2点であり、特に大きな差とは言えないかなと言ったところ。
実技試験平均点
実技試験としての平均点は、協議会が89.8点（前回90.7点）、JCDAが92.8点（前回92.6点）となっています。
なお、論述試験だけを受験していたり、面接試験だけを受験している受験生がいるため、論述・面接の各平均点の合計は、実技試験平均点に一致しないとアナウンスされています。
学科・実技同時受験合格率
学科・実技試験の同時受験者合格率は、協議会が51.0％（前回46.1％）、JCDAが60.7％（前回52.5％）となりました。
端的に言えば、学科試験の合格率次第で同時受験合格率が変わると言っても差し支えないかと思います。
全体講評
学科試験は予想どおり高合格率となりました。実務的にはキャリコン学科試験で問われる知識レベルでは、心もとないと感じます。
前回もお伝えしましたように、日本だけでなく、世界的にコロナ禍や景気悪化、そして地政学リスクなど、キャリアを取り巻く環境がシビアになっているなかで、どのようにクライエントを支援するかを考えたとき、知識・理論は非常に大きな意味を持ちます。
キャリコン業界に限らず、カウンセラー業界では、知識や理論を軽視する傾向がありますが、実務に長く携わってきた経験から、それは間違いだと断言できます。
いまや、オウム返しメインでは、「あなたはAIですか？」とクライエントに疑念を抱かれる時代です。
心に加えて、しっかりとした知識（理論）を身に着けて頂きたいなと思う次第です。
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