このエントリーでは、キャリアコンサルタント面接試験(以下単に「面接試験」)における、「服装」について考察しています。
なお、キャリ魂塾における「キャリアコンサルタント面接試験」は、特に断りのない限り全て、キャリアコンサルティング協議会が指定試験機関として実施する面接試験を意味しており、JCDAが指定試験機関として実施する面接試験は考慮しておりません。
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「服装」は基本的に自由。
面接試験で、どんな服を着て行けばよいか、つまり「服装」を気にする受験生もいます(本エントリーのタイトルは、分かりやすく「服装」としていますが、指示されているのは「身だしなみ」)。
結論から言えば、キャリ魂塾では「服装」は自由で良いと考えています。
それは「なるほど」という言葉についてのエントリーで既にお伝えしましたが、面接試験は、基本的には「マナー」の試験ではないからです(基本的には、というのは「相談者を尊重した服装・態度は必要だからです」)。
面接試験における服装は、試験概要の指示に基づく。
指定試験機関である、キャリアコンサルティング協議会の受験概要のページには、このように記載されています。
ロールプレイは実際のキャリアコンサルティング場面を想定して、面談開始から最初の15分という設定で行います。 ロールプレイでは、キャリアコンサルタントとして相談者を尊重する態度や姿勢(身だしなみを含む)で、相談者との関係を築き、問題を捉え、面談を通じて相談者が自分に気づき、成長するような応答、プロセスを心がけてください。
このように「相談者を尊重する態度や姿勢(身だしなみを含む)」との文言があり、それ以上でもそれ以下でもありません。
かつては、この文言が記載されていなかったため、私も「服装を評価する試験ではないのだから、好きな服で良い」とお伝えしており、短パンにビーチサンダルで受験してみようかと思ったこともありましたが、先手を打たれてしまいました笑
「ラポール=見た目」ではない。
平成中期以降、世の中に「人は見た目が〇割」というキャッチ―なフレーズが流行してしまったことも影響が大きいですが、そもそもラポールは「見た目」で構築するものではありません。
例えば、初期の「美味しんぼ」の山岡士郎のようないでたちで表れても、彼の場合、準備時間さえあれば、ラポールは構築できます。
(美味しんぼ ©雁屋哲 花咲アキラ 小学館)
それは、山岡さんの服装、身だしなみが相手を一切尊重していなくても、態度がバカにしていても、彼がこと「食」に関して圧倒的な知識と能力を持っていることが伝わるからです。
金田一耕助なんかもそうですね。
しょせん創作じゃないか、という声もあるでしょうから、違った方向性で言えば、坂本龍馬なんかはどうでしょう。
服装はまったく気にしない感じだけれど、誰もが持っていないビジョン、その実現への行動力、そして人を引き付ける才能がある。
西郷隆盛や桂小五郎という、身分的にも権力的にも上位の人に対して、言葉遣いもありのまま、身なりはたぶん浪人風情、だけれど薩長同盟の「裏書」を求められるという、考えられないほどの「信頼」を獲得しています(これは史実ですね)。
このように、身だしなみや言葉遣いなどは、その人の「本質」とは何も関係がなく、むしろ「見た目」で人を判断する方が見誤っていることもあるでしょう。
短時間でラポールを作るために、第一印象は重要なファクター
とはいえ、面接試験や1日のデートのように、短い時間しか与えられていないのであれば、第一印象は、ラポールを構築する重要なファクターです。
あなたが仮に、初恋の人とデートに行くとしたら、その人に嫌われない服装や、寝ぐせ、口臭…鼻毛が出ていないかまで。
一生懸命考え、当日の朝入念にチェックし、少しでも相手に不快感を与えないように、気を遣うのではないでしょうか。
当日のデートの内容が楽しいかどうか、初恋の人の好むものだったか、それは誰にも分からないし、他人の心の中は分かりません。
だけど、「自分自身が相手にとって不快でないように気を配る」ことはできるはずです。
それが、15分や20分しか顔を合わさない相手でもできる。
スーツだろうが、ジャケットだろうが、カーディガンだろうが、何でもいいんです。
それが、あなたが精いっぱい「今日出会う相手のことを考えた服装(身だしなみ)」なら。
ちなみに私は、受講生の合格を最大に考えた結果、「服装を考える時間があれば、受験対策に気を遣うべきだ」との結論に至っていますので、常に私服です。
試験で問われるのは「ラポールを作る力」
「なるほど」などの言葉遣いでも、同様のことを述べましたが、おそらく面接試験の採点・評価には、スーツだから〇だとか、ジャケットだから△、Tシャツなら×といった項目はないはずです。
しかし、「身だしなみ・服装」という項目はあるかもしれません。
それは「受験概要」に「相談者を尊重する態度や姿勢(身だしなみを含む)」との文言があるからです。
あなたが、クライエントのことを本当に大切に思っているなら、あなたが考える、最も「クライエントに好まれる服装・身だしなみ」をすればいい。
繰り返しになりますが、それ以上でもそれ以下でもありません。
ガイアが俺を呼んでいると言わんばかりにクロムハーツのウォレットチェーンを付け、革ジャンにサングラスの男性、ここは天神橋筋商店街かと思うような、全身ヒョウ柄の服を着た女性…
あなたが、クライエントの立場になったとき、そんな服装の人をどう思うか。
それだけの話です。
ファッションセンスの問題ではなく、「相手にどう思われるかを考えられる」。それが「面接試験という15分(20分)」の場で必要となる「ラポールを作る力」(のひとつ)です。
スーツでもジャケットでもオールAで合格という根拠に基づく予測
蛇足ですが、私自身、スーツで受験したり、ユニクロのジャケット(中はポロシャツ)にジーンズで受験したりしていますが、服装に関わらず全てオールAで合格しています。
これが、キャリ魂塾が大切にしている『根拠』に基づく予測です。
スーツでもジャケットにジーンズでも、どちらでもオールAで合格しているからこそ、「どちらでもいい」と言えるわけです。
1回しか受験していなければ、スーツでしか受験していなければ、「服装は何でもいい」とは、やはり言えないはず。
キャリ魂塾は、「根拠」を大切にしています。