このエントリーでは、キャリアコンサルタント面接試験(以下単に「面接試験」)における、「なるほど」という応答について考察しています。
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「なるほど」を気にする必要はない。
面接試験で、「なるほど」を使ってよいかどうかを気にする受験生もいます。
結論から言えば、キャリ魂塾では「なるほど」を使うかどうか、気にする必要はないと考えています。
それは、キャリアコンサルタント試験は、基本的には「マナー」の試験ではないからです(基本的には、というのは「相談者を尊重した姿勢・態度は必要だからです」)。
これは、「了解です」「承知しました」も同様ですし、服装も同様です。
マナーや言葉遣いを採点評価する試験ではない以上、クライエント役に不快感を与えていなければ、それで何も問題はない。
これがキャリ魂塾の考え方です。
言葉遣いや服装、そんな枝葉末節を気に病むよりも、本質的な問題がここに潜んでいることに注意をして下さい。
気にしなければならないのは「相手の反応」
私は今、「クライエント役に不快感を与えていなければ」とお伝えしました。
そうです。
あなたは「自分の言葉が相手に不快感を与えているかどうか」を、気にしていますか?
あなたが仮に、「なるほどですねー」を多用するクセがあり、クライエント役に限らず、目の前の相手が「イラっと」しているようならば、それは「使うべきではない」ということになります。
私も、オフィスの管理会社に電話したら「なるほどですねー」を多用されて、イラっとしたことがありますが、この「目の前の相手がイラっとしている」ことに気づけるかどうかは、「キャリアコンサルタント」や「カウンセラー」の「資質」の一つですよね。
あなたが「目の前の相手がイラっとしている」にもかかわらず、「なるほど」や「了解しました」を使いたい人なら、間違いなく不合格です。
それは、「目の前の相手(クライエント)の感情よりも、自分のエゴを優先したい人」に、キャリアコンサルタントの適性があるとは言い難いからです。
同様に、「目の前の相手が、自分の言葉でイラっとしていることが分からない人」も、「観察力」が無いということになりますから、合格は難しいでしょう。
試験で問われるのは「ラポールを作る力」
これは私の予想ですが、試験では「なるほど」を使ったかどうかなど、採点・評価項目にはないはずです。
それは「ラポールを作る力」と、何も関係が無いからです。
「ラポール」を作る力とは、「相手から信頼を得る」力です。
この場合の「信頼」とは、「この人になら、私の悩みを相談しても大丈夫だな、この人は私を傷つけないな」という信頼です。
「なるほどですねー」を連発して、クライエントがイラっとしていることに気づかない人なら、そもそも「ラポールは作れない」。
それは「観察力」が無いからです。
「なるほど」を「確かに」や「そうなんですね」に代えたところで、何の意味もありません。
服装も一緒です。
あなたが有名ブランドのスーツを身にまとい、誰がどう見ても一分のスキもないオシャレな姿だとしても、目の前の相談者が「こんな高い服を着ている人に、私の悩みなんて分かるはずない」と、ミジメな気分になってしまえば、ラポールは(その時点では)壊れているのです。
言葉遣い、服装…そんなものは本質とは何の関係もないのですから、悩む必要はありません。
あなたにとって必要なことは、「面接試験で問われていることは何か」という、本質を掴むことです。
「なるほど」で壊れるラポールしか構築できないのが問題
繰り返しになりますが、キャリアコンサルタント試験は「マナー」の試験ではないし、キャリアコンサルティングは「マナー」の時間ではありません。
「なるほど」に変わる自然な言葉が出てこず、ぎくしゃくした面談時間になってしまうくらいなら、使えばいいのです。
クライエントの相談に対して、「意味がある」時間を提供することの方が比較する必要もないくらい重要なことです。
なにより、「なるほど」を使ったくらいでラポールが壊れるのならば、それは、その程度のラポールしか構築できていない未熟さを問題と捉えなければならないんですね。
ちなみにこれは「メモ」も同じです。
メモを取るとラポールが壊れる、のではなく、「メモを取ったくらいで壊れるラポールしか構築できない未熟さ」、これが問題なんですね。