理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。
このエントリーでは、面接(ロープレ試験)における、守秘義務等の説明(オープニングスクリプト)について、ご説明しています。
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オープニングスクリプトは、倫理綱領上必要である。
まず、オープニングスクリプト(オープニングトーク)を学ばない養成講習があるとすれば、それは倫理綱領違反に加担していると言えます。
なぜならば、倫理綱領に下記の文言があるからです。
(説明責任)
第7条 キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを実施するにあたり、相談者に対してキャリアコンサルティングの目的、範囲、守秘義務、その他必要な事項について十分な説明を行い、相談者の理解を得た上で職務を遂行しなければならない。
出典:キャリアコンサルティング協議会 倫理綱領
キャリアコンサルティングの目的が、例えばセルフ・キャリアドックであるならば、セルフ・キャリアドックとして行うこと、また自らの業務の範囲(例えば精神疾患等は扱えないこと)、そして「守秘義務」その他の必要な事項について十分な説明を行うことが明記されています。
なので、私がもし試験官なら「面談開始前に、守秘義務を説明しない受験生」は大幅に減点します。
それは、倫理綱領すら読んでいない受験生をデビューさせるには、かなり慎重にならざるを得ないからです。
JCDA受験生であっても、オープニングスクリプトの練習は必要
あなたが、JCDAの受験生であれば、面接ロールプレイ試験の場では、守秘義務の説明は終わったものとされているため、そういったオープニングスクリプトの説明は必要ありません。
しかし、それは「JCDAの面接ロープレ試験の場」で必要ないだけの話であり、当然実務では必要になります。
そういう意味では、受験前にしっかりとオープニングスクリプトを練習させることを暗に含んでいる、協議会の方が実践的ですね。
なので、JCDA受験生の方は、協議会受験の方と比べて、オープニングスクリプトの練習が必要になることが多いと感じます。
オープニングスクリプトを練習するのは、プロとしての意識の問題
キャリ魂塾では、面接オープニングスクリプトを、面接試験まで1日100回唱えるように指導します。
だから、合格するのは当たり前です。
オープニングスクリプトすら練習しない受験生が3割はいるからです。
オープニングの1分だけで、試験官に安心してもらえるわけですね。
つまり、初頭効果として考えても、非常にアリですよね。
オープニングスクリプトは、ほぼ1分です。
通勤や休憩、食事中など、頭の中で唱えたり、声に出して呟くなどをしてください。
イチローや落合、王、長嶋など、天才と言われるバッターでも、毎日素振りをします。
あなたがキャリアコンサルティングの天才であっても、発声練習、笑顔、オープニングスクリプトなどの練習は必要なはずです。
中学生でも高校生でも、部活動のあと、自主練習を毎日しているでしょう。
上手くなりたい、抜け出したいと思っているなら。
あなたが、上手くなりたい、4万人から一歩抜け出したいと思っているなら、当然練習をしているはずです。
「練習なしに上手くなることはない」
-マグジー・ボークス(NBAで最も身長の低い160cmのプレイヤー)-
そして、練習をせずに本番に挑むならば、それは最も相談者を尊重しない行為です。
オープニングスクリプトだけで、ラポールが一気に構築できる。
あなたが相談者の立場だったとして、練習をしていないキャリアコンサルタントと、毎日練習しているキャリアコンサルタント、どちらが信頼に足ると感じるでしょうか。
それが、ラポールです。
ただ単に、相手の言葉を繰り返すだけのオウム返しでラポールが構築できる?
それは幻想です。
オウムが「ハナコチャン、オシゴトツラインダネ!」と言ったところで、オウムにラポールを感じないのと一緒です。
まず、面談開始から、しっかりと相手の気持ちを掴む。
そのためには、
「私はあなたの側に立っている。私があなたを裏切って、あなたが話したことを勝手に外部に提供するなら、私はこの資格を失います」
と伝える。
下碑な言葉で言えば、これは
「クライエントにタマ(命)を預ける」
ということです。
法律上の守秘義務を伝えるのは、国家資格者としての覚悟の宣言
我々の食い扶持として絶対必要な、「国家資格」=タマ(命)を差し出し、万一我々があなた(クライエント)を裏切ったなら、タマ(命)を好きにしていい。
それを宣言するのが、「守秘義務」の説明です。
国家資格者は、クライエントを裏切れば、国家から刑事罰を食らい、資格を失う。
その覚悟をもって、あなたに相対しますよ、というのが「国家資格者」の守秘義務宣言です。
産業カウンセラーであろうが、臨床心理士であろうが、それはできない。
民間資格者は、仮に守秘義務違反をしたところで、それは原則として民事上の問題(+個人情報保護法違反の可能性)であり、国家権力がそれを罰し、資格を剥奪することがないからです。
(「産業カウンセラー 懲戒」「臨床心理士 懲戒」と「行政書士 懲戒」「社労士 懲戒」「司法書士 懲戒」を検索してみれば一目瞭然です)
あなたが、社内キャリアコンサルタントだとしましょう。
社長相手に、部下とのキャリアコンサルティング内容を守れますか?
守れる自信がないのなら、国家資格者としての覚悟が足りないということです。
私は、顧問先の社長が、従業員とのキャリアコンサルティング内容について提供を求めてきたとき、普通に断ります。
顧問先社長の不興をかって、顧問契約を解除されることよりも、国家資格、そしてクライエントの信用のほうが大事だからです。
社長が何を言ってきても、あなたが私を信頼して話してくれたことは絶対に守る。
あなたの信頼に応える覚悟がある。
この国家資格者としての「覚悟」を宣言するのが、「法律に基づく守秘義務がある」という言葉です。
どれだけ前傾姿勢で話を聴こうが、頷こうが、オウム返しをしようが、「タマを預ける『覚悟』」に勝る信頼構築にはなり得ません。
実務的にも、例えばセルフ・キャリアドックについて、訝しがっている従業員の方に、丁寧に守秘義務を説明すると、本当にスムーズに話してくれるようになります。
あなたが、国家資格者として絶対にクライエント側に立てるならば、守秘義務を必ず説明してください。
オウム返しよりも、前傾姿勢よりも、頷きよりも、クライエントの態度が変わりますから。
(蛇足ですが、私がグループアプローチに否定的なのは、この「守秘義務」の問題があるからですね。)