現実療法のポイント

キャリアコンサルタント学科試験対策として、現実療法で押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。

現実療法のポイント
1.認知的アプローチに分類される。
2.グラッサーは、過去、感情、症状に焦点を当てたカウンセリングアプローチと異なり、現在の満たされない重要な人間関係に焦点を当てて問題解決を図った。
3.「現実に直面させ、無責任を避け、価値判断に基づき、よりよい行動を考えて実行する。」 という考え方がベース。
4.学習のポイント:認知療法・論理療法・現実療法は「認知的アプローチ」としてカテゴライズされる。関係も深いため、まとめて学習をする。出題頻度はそれほど高くない。

キャリコン学科試験出題予想問題:現実療法

本エントリーを読み終えると、キャリコン学科試験で出題が予想される、下記のような現実療法の問題が解けます。

現実療法予想問題 難易度:難
現実療法について述べた下記の選択肢から、正しいものがいくつあるか選べ。
1.認知療法と現実療法は、認知的アプローチである。
2.グラッサーは、現在の満たされない重要な感情とそれに伴う症状に焦点を当て、現実療法を提唱した。
3.現実療法では、クライエントが不幸なのは、満足できる人間関係を持っていないことが原因だと考える。
4.現実療法では、カウンセリング関係の確立として「言い訳をさせない・非難論争をしない・簡単にあきらめない」の「してはならない」がある。

現実療法の論点

予想問題が解けなかった方は、下記の論点をしっかりと押さえていきましょう。

グラッサー

➡提唱者として、グラッサーを押さえる。グラッサーは精神科医であるが、「クライエントが不幸なのは、満足できる人間関係を持っていないからである。」などの「前提」を、現実療法として提唱した。
➡現実療法(リアリティ・セラピー)と選択理論は重なる部分が多いが、キャリアコンサルタント学科試験対策としては、「現実療法」として出題されている。

現実療法の「前提」

➡現実療法では、以下の3点を「前提」とする。

① クライエントが不幸なのは、満足できる人間関係を持っていないからである。
② クライエントが満足できる人間関係を持っていないのは、どちらかあるいは両方が、関係を改善しようとして、外的コントロール心理学を用いているからである。
③ そのような関係からは苦痛がもたらされるので、どちらかあるいは両方が、相手が用いている外的コントロールから逃れようとしている。

現実療法でカウンセラーが焦点を合わせる「問題」

➡現実療法では、カウンセラーは以下の2点を「問題」とする。

① クライエントの不満足な人間関係、あるいは満足した人間関係の欠落が問題である。
② カウンセラーとクライエントの間に、良い関係が築かれなければ、問題解決は進展しない。

現実療法のカウンセラーの役割【3つのR】

➡現実療法では、カウンセラーの役割として、【3つのR】がある。

①現在性(reality)
②責任性(responsibility)
③善意(right and wrong)

現実療法のカウンセリングの特徴

➡現実療法のカウンセリングの特徴として、下記の4点を押さえておく。

① 人が自分の願望と欲求を明確に知り、自分の願望を現実的に達成できるか評価するのを助ける。
② 人が自分の行動を吟味し、明確な基準に照らして評価するのを手助けする 。
③ そのために肯定的な計画を立て、それによって自分自身の人生計画を掌握し、現実的な願望と欲求を満たすように手助けする。
④ その結果、力が与えられ、より確信に満ち、よりよい人間関係と効果的な人生のための、個人的な計画を立てられるようになる。

現実療法のカウンセリングの展開

カウンセリング関係の確立
➡「言い訳をさせない・非難論争をしない・簡単にあきらめない」を「してはならない」
➡過去にもこの、「カウンセリング関係の確立」が出題されている。
※この他、自己概念の評価、行動の評価、計画の決意、カウンセリングサイクルでのすべきこと等がある。

参考書籍

「グラッサー博士の選択理論」グラッサー. W./著 アチーブメント出版
「15人が選んだ幸せの道」グラッサー.W./著(柿谷正期・柿谷寿美江/訳) アチーブメント出版