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このエントリーでは、「初見問題(これまで見たことのない問題)」に対する「選択肢の選び方」を解説しています。

「初見問題」は2種類に分かれる。

国家試験である以上、「初見問題」は絶対にあります。

しかしこの「初見問題」にも2種類あります。

それが

1.常識やこれまでの経験知識を駆使すれば解ける問題
2.運を天に任せる問題

の2種類です。

ここでは、1.の常識やこれまでの経験知識を駆使すれば解ける問題を解説します。

常識やこれまでの経験知識を駆使すれば解ける問題

下記の問題の答えを検討してみてください。

問題 裁判員制度について解説した下記の記述のうち、最も正しいと考えられるものを1つ選べ。

1.裁判員候補者として選ばれると、辞退はできない。
2.裁判員候補者として選ばれたことは、秘密保持義務として口外できない。
3.裁判員候補者が裁判所からの呼び出しに対し、正当な理由なく応じなかった場合、過料が課せられる。
4.裁判員が関与する裁判の公判に出頭するための交通費は、裁判員個人の負担である。

いかがでしょうか。

あまり見慣れない問題だと思いますが、就業規則において「裁判員に選ばれた場合の取り扱い」を定めるなどの改定作業があり、社労士の方ならある程度は解けるかもしれません。

では、見たことがない方が、この問題をどう考えるかを解説していきます。

初見問題の解答方法

1.誤り:原則は辞退できません。しかし、原則には例外がつきものですよね。

選ぶ側はこちらの事情は考慮していないわけですから、病気やケガ、介護などが例外として規定されており、該当する場合は辞退が可能です。

こういったことは、想定されていてしかるべきですので、誤りと判断できます。

2.誤り:会社に「裁判員候補者に選ばれたので、会社を休まないといけません」と伝えなければ、会社はなぜ休むのか分かりませんよね。

これも常識で考えれば「候補者」なのですから、誤りであることは一目瞭然です。

なお、裁判員候補者であることを「公」にすることは禁止されていますが、これを「口外してはいけない」と解説している書籍がありますが、これは誤りです。

詳細は下記引用をご確認ください。

裁判員等でいる間,裁判員等に選ばれたことを公にしてはいけません(裁判員法101条1項)。

裁判員候補者名簿に登録されたことや,さらにくじで選ばれて裁判員候補者として裁判所に呼ばれたことを公にすることは禁止されていますが,法律で禁止されている「公にする」とは,出版,放送といった手段による場合やインターネット上のホームページ等に掲載するような場合など,裁判員候補者になったことを不特定多数の人が知ることができるような状態にすることをいいます。

 一方,日常生活の中で,家族や親しい人に話すことは禁止されていませんし,上司に裁判員等になったことを話して,休暇を申請したり,同僚の理解を求めることは問題ありません。その際に,裁判所からの選任手続期日のお知らせ(呼出状)を上司や同僚に見せることについても差し支えありません。

なお,裁判員等でなくなった後に,自分が裁判員であったことを公にすることは禁止されていません。

出典:最高裁判所ホームページ

3.正しい:これも常識で考えてみてください。

ある程度強制力がないと、誰も出頭しない、ということがあり得ますよね。

ただ、「刑罰」となる「罰金」等にはしづらいんです。

だって、「刑罰」には「裁判」が必要だし、大事になってしまいますよね。

なので、「行政処分」としての「過料」が課せられるわけです。

4.誤り:裁判員に選んで下さい、と市民の側からお願いしたものではありません。

勝手に選んでおいて、なぜ交通費まで自腹で出頭しなければならないのか、と市民感情で考えるのが自然ですね。

だから、答えは3になります。

見たことがないと諦める前に、自らのリソースを活用する。

このように、見たことがないから解けないと諦める前に、「問題をよく読んで、ヒントがないかを探す」「自らの経験で解けないかを考える」と、正答に辿り着けることがあります。

ちなみに、私は裁判所に証人として呼び出されたことがありますので、その経験から「交通費が出ないのはおかしい」と考えることができます。

自分がこれまで経験したことをしっかりと活用することも、合格を手繰り寄せる力の一つですね。