このエントリーでは、キャリアコンサルタント面接ロープレ試験での「カウンセリングモデル」についてお伝えしています。
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カウンセリングモデルには種類がある。
以前、心理学の分類についてお伝えしましたが、カウンセリングにも分類があります。
それは、治療的モデルと開発的モデルです。
治療的カウンセリングモデル
治療的なカウンセリングモデルは、一般的にイメージされる「心理療法としての」カウンセリングと合致しています。
いわゆるう「うつ」やメンタル不全に対して、「治療」「医療的」なカウンセリングを行うと考えられるものですね。
開発的カウンセリングモデル
治療的なカウンセリングモデルとは相談対象者が異なるモデルとして、「開発的」カウンセリングモデルがあります。
キャリ魂塾の「国家資格キャリアコンサルタント学科試験問題集vol.1心理療法・カウンセリング理論編にも書きましたが、開発的なカウンセリングモデルは「健常的」な方を対象者としています。
つまり、メンタル不全がない、精神的に特に問題がない方を対象としたカウンセリングであり、例えば経営コンサルティングやコーチングなどはこちらに該当します。
また、キャリアコンサルティングであっても、心身に特に問題が発生しておらず、単に就職活動の方法が分からない、等の場合も開発的カウンセリングが適しています。
キャリアコンサルタント業界の不幸
キャリアコンサルティングは、基本的には「開発的」カウンセリングモデルによるアプローチを行うことが求められる分野です。
もともと、キャリアコンサルタントは「メンタル不全」従業員へのアプローチといった、治療的カウンセリングを行う専門家(制度)として制度設計されておらず、当然、そのような認識が厚労省にないからです。
厚労省にとって、キャリアコンサルタントは「労働者のキャリア形成にかかわる相談に対する、助言や指導を行う専門家」つまり、開発的カウンセリングと傾聴をメインとした在り方が想定しており、心理職ではないからです。
にもかかわらず、商業的に、またこれまでの経緯的に、キャリアコンサルタントは、「キャリアカウンセラー」としての意識が強く、治療的モデルを学ぶ場としての在り方を打ち出し、またその学びを得たい受講生によって支えられてきたと感じます。
なので、一部の養成講座は未だに治療的なモデルを受講生に指導しており、試験機関でもそういった「心の専門家」としての評価を行っているように感じます。
それに対して、協議会は厚労省の意に沿う形で、「開発的カウンセリング」モデルを評価しています。
つまり、一部の養成講座受講生が、協議会を受験すると、「治療的カウンセリングモデル」で「開発的カウンセリングモデル」に挑む形となってしまい、ここに「養成講座と協議会でやっていることの乖離が大きい」ことに初めて気づくことになるわけですね。
また、一部には、治療的モデルを指導しているにもかかわらず、協議会を受験する方向に舵を切った養成講座もあります。
こういった無茶な指導も、キャリアコンサルタント業界の分かりづらさに拍車をかけています。
ぜひ、このブログをお読みの皆様は、自らの学んだ在り方が、治療的モデルなのか開発的モデルなのかを再度確認することをお勧めします。
ちなみにキャリ魂塾は、協議会受験をおススメしていますので、当然開発的モデルでの指導になります。