資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。
このエントリーでは、キャリアコンサルタント面接ロールプレイ試験(協議会実施分、以下「面接試験」)について、「関係構築」に終始するリスクを解説しています。
Contents
15分を「関係構築」『だけ』の時間にするリスク
面接試験は、わずか15分です。
この15分で、目標や方策の設定、また同意までたどり着く必要はありません。
それは、協議会の試験概要に、下記のように記載されているからです。
ロールプレイは実際のキャリアコンサルティング場面を想定して、面談開始から最初の15分という設定で行います。
(引用:キャリアコンサルティング協議会)
「最初の15分」と記載されているため、2級キャリアコンサルティング技能検定面接ロールプレイ試験(以下2級面接試験)のように、「面談時間は20分」という設定ではありません。
「最初の」と記載されていることから、「その後も」面談が続くことが想定されていると考えられます。
例えばこれが「初回の」とあれば、15分間で「初回(1回目)」が終わると考えられますし、単なる「15分」であれば、2級面接試験のように、「面談時間は15分」とだけ記載されるはずです。
かつてJCDAでは「初回面接の『60分の内の15分』」との記載があったように記憶していますが、こういった「初回における規定の面談時間の内、最初の15分」と考えるのが自然でしょう。
なので、「15分で目標や方策の提案や同意までたどり着く必要はない」と考えてよいかと思います。
「15分で目標や方策の提案や同意までたどり着く必要はない」が…
「15分で目標や方策の提案や同意までたどり着く必要はない」。
しかし、口頭試問では「キャリアコンサルタントとして考える相談者の問題」(以下「見立て」)、「今後の支援」について解答しなければなりません。
逆に言えば、15分で「見立て」と「今後の支援」を自分なりに構築しなければならないのです。
ここで、大きな問題が生じます。
それが「関係構築」に15分かけた場合、「見立て」や「今後の支援」が「適切に」行えるのか。
という問題です。
「自己評価B」が増えている理由は「見立て」「今後の支援」?
「関係構築」を行うにあたっては、当然「話を聴く」という姿勢が必要です。
私、加藤と言います。実は、勤務している会社が業績不振ということで早期退職を募集することになったんです。業績不振ということをハッキリと言われたこともあって、私の上司である営業部長が新会社を設立し、能力のある社員と一緒に退職するという動きもあるんですね。
その新会社への移籍に、私も声をかけられたのですが、仲のいい同僚には声が掛からなかったと言っていました。
ただ、業績不振とは言え、会社はまだ倒産すると決まったわけじゃないですし…退職する必要があるかなとも思うし、仲の良い同僚を見捨てるような気もするし、部長の新会社に移籍するかどうか、自分でもどうしてよいか分からなくて、今日は相談に来たんです。
これでだいたい250~260文字です。
NHKのアナウンサーの話すスピードが、おおむね1分に300文字ですから、クライエント役が演技をしながら話すと、だいたい1分強といったところでしょう。
この悩みに対して、「関係構築」として、「二重の不安」の解消から入っていくと、通常は「相談内容の確認」を行うことになります。
ここでは、あまり「要約」をせずに、概ね同内容を伝え返すタイプの「確認」を行ってみます。
今お話し頂いたご相談内容について、確認をさせて頂きますと、加藤さんの勤務している会社が業績不振ということで早期退職を募集することになったと。
そして、加藤さんの上司である営業部長が新会社を設立し、能力のある社員と一緒に退職するという動きもあり、加藤さんも声をかけられた。
けれど、仲のいい同僚には声が掛からなかった。また、業績不振とは言え、会社はまだ倒産していないし、同僚を見捨てるような気もする。
新会社に移籍するかどうか、どうしてよいか分からないということで、ご相談にお越しになられたということでよろしいでしょうか。
これも概ね260文字前後です。
そうすると、この時点で2分が過ぎることになります。
残りは13分弱です。
ここからは、受験生ごとに応答が変わるわけですが、「関係構築」が大事なことは言うまでもありません。
キャリ魂塾の面接試験対策講座には、多様な養成講習の修了生にご参加頂いています。
塾生から頂いた情報を総合すると、多くの養成講習団体で理想的とされる、「流れ」は、だいたいこんな感じです。
ええ、そうなんです。どうしたらいいのか…
どうしたらいいのか、って思われているんですね
はい…子どもも来年は高校受験だし…なんでこんなことに…
お子さんも来年は高校受験だし、なんでこんなことに…って思われているんですね
ええ…せっかく私立のトップ校に入れるくらい、成績も上がってきたのに…
私立のトップ校に入れるくらい、成績も上がってきたのに…
ええ、そうなんです。どうしたらいいのか…
どうしたらいいのか、って思われているんですね
はい…やはり私立で学費も結構かかるんです。
なるほど、私立で学費も結構かかると。
ええ…学費が払えなくて子どもの希望する進路を叶えてあげられないなんて…
学費が払えなくて、お子様の希望を叶えてあげられないなんて…
ええ…
…
父親…失格ですよね…
父親として、失格だと思われているんですね。
ええ…妻を早くに無くして、男手一つで育て上げてきたんです。
奥様は早くに無くなられて、加藤さんが男手一つで育ててこられたんですね。
ええ…〇〇高校に入学するタカシの姿…見せてあげたくて。
奥様に、タカシくんが〇〇高校に入学する姿、見せてあげたくて、頑張ってこられたんですね。
はい。毎日始発で出勤、終電で帰宅…だからかな、タカシは私になかなか懐いてくれなくて…
始発から終電まで働かれて…でもタカシくんは加藤さんになかなか懐いてくれない…
ええ…本当になんで分かってくれないんだろうって、寝顔を見ながら泣いたこともあります。あれ、なんで俺、こんな話をしているんだろう…すみません。
大丈夫ですよ。タカシくん、加藤さんの気持ち、なかなか分かってくれなくて、涙を流すこともあったんですね。
ええ…花子さえいてくれれば…タカシがこんなに反抗的になることもなかったのかなって。
花子さんさえいてくれれば、タカシくんとの関係も変わっていたって感じる。
はい…
そう思われているんですね…
ええ…
…
だから、なんとかタカシの今の頑張りに父親として報いたいんです。
タカシくんが今頑張っている。その頑張りに父親として報いたい。
はい。タカシには父親らしいこと、何もしてやれなかったから…
タカシくんに、父親らしいことを何もしてやれなかった。そう思われているんですね。だから〇〇高校に進学させてあげたい
ええ、高校も、そして大学もそうですが、せめて学費くらいは、何も心配するな、父親としてタカシにそう言いたいんです。
タカシくんに「学費のことは何も心配するな」そう言いたい。
ええ、仕事ばかりで花子の最後にも立ち会えなかった。
タカシはそれを恨んでいると思うんです。
タカシくんは、花子さんの最後も仕事をしていた加藤さんを恨んでいると思う…
はい…そりゃそうでしょう…
花子の最後の言葉は、「あなた、まだ来ないの…?最後まで遅刻ばっかりなんだから…」だったって‥‥(´;ω:`)
…(´;ω:`)
いかがでしょうか。
あなたが試験官だとして、この土本さんに「関係構築ができていない」とは言えませんよね。
私も、リアルのカウンセリングなら、泣いてしまいそうです。
しかし、これを「面接試験」として考えたとき、大きな問題が残ります。
そう最初の相談内容、つまり「当初相談者が相談したかったこと」はどう捉えれば良いでしょうか。
関係構築に注力して15分を使う場合、「当初相談者が相談したかったこと」から離れ、「見立て」が立てられないというリスクがあるのです。
特に、ここまで深い話に入ってしまうと、「話を変える」ことは容易ではありません。
深い関係性が出来た。
このまま面談時間が60分続くのであれば、それはクライエントにとって非常に意味のある時間になるでしょう。
しかし「15分間の試験」として考えたとき、関係性が出来たことが、イコール「見立て」や「今後の支援」について、しっかりと「根拠」や「自分の考え」に基づいて答えられる結果になるとは限りません。
今、「自己評価B」が増えているように感じますが、それは「関係構築」重視の15分に伴って、「きちんとした根拠(応答の中で気づいたこと)や理論に基づかない」「見立て」や「今後の支援」が構築できていない受験生に、やや厳しい評価になっているからかもしれません。
関係構築フェーズからの移行を行う。
先ほどのように、関係構築が十分できたら、やはり「見立て」を構築するためのフェーズに移行することが必要です。
例えば、下記のような感じで移行します。
花子さんに、タカシくんが〇〇高校に入学する姿、見せてあげたいですよね
ええ…はい。
加藤さんが、今大事に思われていることは、タカシくんの学費…と感じたのですが、例えば金銭面を中心にこの先のキャリアを考えていくということでよろしいでしょうか。
ええ…はい。お願いします。
いかがでしょうか。
このように、「タカシくんの学費」が「見立て」を構築するカギと捉えてみました。
例えば、「キャリアコンサルタントとして考える、相談者の問題は、子どもの学費が必要だが、収入面で不安であること」と答えるのも一つの「見立て」です。
ただ、この「見立て」に対して「今後の支援」をどう行うのか。
そもそも「現在の会社に残る、部長の引き抜きに応じる」、この2つの選択肢を、どれだけ比較検討できているのか、全く確認できていません。
なので、この段階で例えば「部長の新会社に移籍した場合、また現在の会社に残る場合の給与を比較して頂く」ことが、本当の支援でしょうか。
現在の会社と新会社の安定性はどうでしょう?
給与は既に比較したの?していないの?
給与を比較していたとして、加藤さんは「正しく比較」できている?
極論、取締役等の「役員」として声を掛けられている可能性だってあるわけです。
そうなると、残業代などにも影響する可能性がありますよね。
こういった「今後の支援」を適切に行うための確認が、この流れだけでは何もできていません。
更に言えば、相談者にまだ確認していない点について、相談者が知らないと想定し、「比較して頂く」というのは、キャリアコンサルタント側の「思い込み」になります。
「比較した上で悩んでいるのか」、「その比較が適切なのか」を確認していないのですから。
こういった、関係構築からの「フェーズ移行」をどの時点で行うか。
そして、「フェーズ移行した後の『問いかけ』」
キャリ魂塾では、これが「自己評価A」つまり「見立て」「今後の支援」をしっかりと構築するために必要な「キャリアコンサルタント」としてのアプローチになると考えています。
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どの養成講習団体の指導とも全く異質。
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それはキャリ魂塾の面接指導が「キャリアコンサルタントの基本書」である、木村本に準拠し、「発達理論」や「トランジション(転機)理論」を駆使して行う、そして実践で磨かれた「プロ」の面接だから。
「テンプレ」のように、ひたすら「オウム返し」だけ。
そんな15分で試験官に「カウンセリングの進め方を体系的に理解」(キャリア・コンサルティング実施のために必要な能力体系)していると評価されるでしょうか?
何より、「キャリアコンサルタント試験」は「オウム返し試験」ではありません。
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