資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。
このエントリーでは、初回面接における「おうむ返し」が厚生労働省の所管国家資格である公認心理師試験において「最も適切とは言えない」とされたことについて、解説しています。
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第1回公認心理師試験問16 問題と解説
まず、第1回公認心理師試験(追加試験を指す。以下同じ)問16の出題をご確認下さい。
問16 初回面接でのクライエントとの関わりにおいて必要な態度として、最も適切なものを1つ選べ。
① ラポール形成のために、早急な助言を控える。
② クライエントの主観的現実よりも客観的事実を重視する。
③ クライエントの言葉に疑義を挟まず、そのままの言葉を返す。
④ 主訴と状況を早く理解するために、できるだけ多くの情報を得る。
⑤ クライエントが主訴とその状況を話しやすいよう、定型の質問を準備しておく。
出典:第1回公認心理師試験
出題されたのは上記の5つの選択肢であり、「最も適切なものを1つ選べ」と指示されています。
なお、公式発表によれば、正答は①となっています。
また、本問での「初回面接」の意味するところは、キャリアコンサルタント面接試験における、「初回面接」とほぼ等しいと考えてよいと思います。
これは、
・心理モデルと社会モデルという領域・立場の違いはあるものの、これまでのキャリアコンサルタント養成講習指導では、心理モデルを重視してきた(ように感じられる)経緯がある。
・キャリアコンサルタントの領域を社会モデルと捉えたとしても、キャリアコンサルタント面接試験で評価・採点されるのは、「初回面接の最初の15分」であり、社会モデルであっても「ラポール構築」の必要性が高い段階であり、心理モデル的な態度が必要と考えられる。
からです。
本問から分かること
公認心理師試験も国家試験です。
また、公認心理師は文科省と厚労省の共管となっています。
つまり、この出題は「厚労省がケツモチ」ということです。
その上で、この出題を「肯定的に」見ていきます。
まず
①ラポール形成のために、早急な助言は控える。
この①が正答であるとされているため、国家資格キャリアコンサルタント試験でも、「助言は控える」ということになります。
ただ、そうなるとわずか5分の違いしかない、2級キャリアコンサルティング技能士の面接試験において、「目標設定」や「方策提案」に進むのは「心理モデル」の観点からすれば「最も適切とは言えない」ということになります。
協議会自身はどちらかというと社会モデルですので、「目標設定」「方策提案」に進むことが間違いとは言えませんが、社会モデルであっても、心理モデルの在り方を重視してきた旧標準レベルキャリアコンサルタント講座などの指導経緯から言えば、本来好ましくない評価(もっと言えば構成)を行っているのではないかという疑念が生じます。
追記:熟練レベルであっても、「心理モデル」を重視するのであれば、そもそも20分という短時間で「問題把握」や「具体的な展開」を求めるべきではない、という意味で「好ましくない」評価(構成)と記載しています。
そして、③です。
③ クライエントの言葉に疑義を挟まず、そのままの言葉を返す。
この選択肢は「最も適切」とはされていません。
また、出版社の過去問集によれば、「そのままの言葉を返す」を「おうむ返し」とした上で、
「そのままの言葉を返す態度だけでは、必要な情報が得られない。そのときに必要な質問をすることで情報を収集するという態度は必要である」
出典:公認心理師過去問詳解2018年12月16日試験完全解説版 ©辰巳法律研究所
と述べており、明確に「初回面接」での「おうむ返しだけ」という態度を否定しています。
さらには、
⑤クライエントが主訴とその状況を話しやすいよう、定型の質問を準備しておく。
とされており、構造化面接・半構造化面接も「初回面接」においては「最も適切」ではないとされています。
キャリ魂塾の面接試験指導においては、キャリアコンサルタント面接試験が初回面接のさらに最初の15分のみであるため、「主訴とその状況」を話しやすいような定型の質問を「最初からする」ことは避ける、つまり「二重の不安の解消」に力を入れることを指導していますので、この点からも正しいと言えます。
まとめ
厚生労働省(と文部科学省)が監督官庁である公認心理師の国家試験により、
初回面接(心理モデル)でのクライエントとの関係における「態度」として
・おうむ返し(を中心とした態度)は「最も適切」とは言えない
・主訴とその状況を話しやすくするためであっても「定型質問」は「最も適切」とは言えない
・主訴と状況を「早く理解するために」、できるだけ多くの情報を得ようとする態度は「最も適切」とは言えない
上記が明示されたと言えます。
これらの態度は「早急な助言を控える態度」よりも「優先性が低い」のです。
国家資格キャリアコンサルタント面接試験が「心理モデル」の領域・立場を重視するのであれば(特にJCDA、産業カウンセラー等)、この明示は非常に重要なものになるのではないでしょうか。
ご承知の方も多いと思いますが、キャリ魂塾では、
・ただ繰り返す「おうむ返し」、そして「自分の記憶のためのおうむ返し」を否定的にとらえ
・いきなり主訴に踏み込まず、「二重の不安の解消」を重視し、
・質問をしないことにも否定的であり、
・早急な助言を控え、ラポール形成を重視する。
指導を行ってきましたが、この指導が誤りでないことが、図らずも公認心理師試験において確認できました。
養成講習を受講されている方も、既に修了された方も、また2級、国家資格試験にかかわらず、情報として押さえておいていただけましたら幸いです。
そして、キャリ魂塾の「新世代キャリアコンサルタント」指導が「心理モデル」のみならず「社会モデル」でも活用頂けることを実感していただけましたら幸いです。
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それはキャリ魂塾の面接指導が「キャリアコンサルタントの基本書」である、木村本に準拠し、「発達理論」や「トランジション(転機)理論」を駆使して行う、そして実践で磨かれた「プロ」の面接だから。
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